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Era A · VOL.01
Notifications, and Yet
馴染んでいるのに、そこにいない。本質的な話をしたいのに、誰もそれを求めていない。
Original AI Vocal · Three Eras, One Voice
After the First Bell · 예비종이 울린 뒤 · 预备铃之后
ヨレイが鳴り終わる
音より後のほうが長い
廊下の壁を滑って
消えるまでの数秒
みんなが席に戻る
私はもう座ってる
手はノートを開いてる
頭はまだ廊下にある
おはようが重なって消える
どれも私に向いてない
窓は全部開いてる
風は入ってこない
光だけが全部そろってる
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
終わったはずの音が
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
誰も聞いてない
鞄のそいつだけが
まだ揺れてる
All fine here
チョークの音が始まる
ノートの端に丸を描く
前の席の背中が笑う
私も少しだけ動く
何の話か分からない
笑うところだけ分かる
目は隣の顔を見てる
口はそれと同じかたち
ここは明るい
光が全部白い
誰かの話が通る
意味は後から分かる
分かったときには終わってる
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
終わったはずの音が
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
私だけが聞いてる
鞄のそいつは
ずっと笑ってる
そいつの目のボタンが
少し緩んでる
それでも笑ってる
私の顔は動かない
どっちも直さない
どっちもこのまま
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
終わったはずの音が
まだ鳴ってる まだ鳴ってる
誰も数えてない
私も数えてない
まだ鳴ってる
ホンレイが鳴る
The bell again



第一幕予鈴のあと
The Average of Three · 세 사람의 평균 · 三个人的平均
指が先にポーズを作る
私が決める前に形になってる
三人で並ぶ
真ん中が私だと後で気づく
肩がふたりの間に収まる
高さも合ってる
息を吸う音が三つ重なる
そのうちのひとつが私
いっかいめ 目を閉じた
にかいめ 間に合った
さんかいめ もう笑ってた
どれも私の顔
三人ぶんの平均
目の高さ 口の角度 首の傾き
三人ぶんの平均
どれも合わせた
それでも私の顔だけ
少しずれてる
Same as you
笑い声が半拍遅れる
ふたりと同じ形にしたのに
出た音だけが後から届く
誰も気づかない
シールになって手のひらに乗る
三人で分ける
私のぶんだけ端が切れてる
切ったのは私
何がおかしかったのか分からない
ふたりが笑ったところは分かる
分かるほうを覚えていく
おかしいほうは忘れる
三人ぶんの平均
声の大きさ 相槌の数 頷く速さ
三人ぶんの平均
どれも合わせた
それでも私の顔だけ
少しずれてる
鞄のそいつは写ってない
揺れているだけ
ボタンの片方が緩んでる
誰も見ていない
写真の外にいる
それだけ
三人ぶんの平均
さんかい撮って さんかいとも
三人ぶんの平均
どれも合わせた
それでも私の顔だけ
少しずれてる
シールだけが手のひらに残る


第一幕三人ぶんの平均
"So Cute" · 귀엽네 · 好可爱
かわいいね と言われる
言われているのは鞄のほう
そう と答える
声が先に出る
三人が同じ絵を送ってくる
同じ顔をした絵
私も同じ絵を返す
指が覚えている
自分の気持ちじゃない絵が
私のかわりに喋る
絵のほうが上手に笑う
私はもう笑わなくていい
かわいいね
かわいいね
借りた言葉で回っていく
かわいいね
かわいいね
誰の口から出たのかもう分からない
Love it
誰かが話している
何がおかしいのか分からない
相槌が別の人と重なる
ふたりとも黙る
スタンプの絵は減らない
押せば出てくる
押さなければ何も出ない
それだけのこと
絵の中の口はずっと開いたまま
閉じたところを見たことがない
それでも毎日送っている
今日も送った
かわいいね
かわいいね
借りた言葉で回っていく
かわいいね
かわいいね
私の番が来ても同じ言葉
鞄のそいつが揺れる
褒められたのはそいつ
私は横にいる
そいつは何も言わない
ボタンが少し緩んでいる
かわいいね
かわいいね
借りた言葉で回っていく
かわいいね
かわいいね
明日も同じ言葉が回る
かわいいね



第二幕かわいいね
Unsent · 임시저장 · 草稿
画面の白がいちばん明るい
部屋でここだけ光ってる
打ち終わった文字が並んでる
消さないまま置いてある
ベッドの上のぬいぐるみ
新品みたいなまま
誰も見ないから
褪せない
送信の位置で指が止まる
止まったまま何分か経つ
変換候補に手が戻る
決めた字をもう一度選び直す
送らない
理由は
送らない
書いてある
送らない
宛先も決まってる
明日も同じ画面を開く
同じ文字がそこにある
足す言葉を思いつく
足さない
窓の外で誰か笑ってる
知らない声
知らない話
私のじゃない
言いたいことは全部ここにある
読み返すたび合ってる
どこも直すところがない
合ってるのに
送らない
理由は
送らない
書いてある
送らない
明日も置いておく
ぬいぐるみは動かない
埃だけが薄く積もる
私の顔が動く
今日は動いた
そいつは動かない
送らない
理由は
送らない
書いてある
送らない
まだ送らない
何も言わない



第二幕下書き
It's Nothing · 아무것도 아니야 · 没什么
踊り場で止まる
上りでも下りでもない場所
窓から光が入ってくる
壁の色が白く見える
誰かが階段を降りてくる
すれ違うまでよんびょう
言おうとしていたことがある
今なら言える
口を開ける
息だけ出る
喉の奥が塞がる
音になる前に戻る
誰に言おうとしたんだろう
名前が浮かばないまま
なんでもない が 先に出た
それで足りてしまう
すれ違ってから振り返る
背中はもう遠い
呼び止める言葉を選ぶ
選んでいるうちにかどを曲がる
踊り場に戻る
上りでも下りでもない
誰かがまた降りてくる
おなじよんびょう
今度は言える
今度こそ言える
口を開ける
息だけ出る
誰に言おうとしたんだろう
名前が浮かばないまま
なんでもない が 先に出た
今日も出た
鞄のそいつが揺れている
階段の途中で
誰にも聞かれない位置で
ずっと揺れている
誰に言おうとしたんだろう
名前が浮かばないまま
なんでもない が 先に出た
本当は
本当は



第三幕なんでもない
Still Glowing · 아직 빛나고 있어 · 还亮着
足が止まる
歩くつもりだったのに
自販機の前で止まる
理由はない
ボタンがぜんぶ光ってる
ピンクとレモン色
この通りでいちばん明るい
誰も買いに来ない
一歩だけ戻る
進むつもりも帰るつもりもないのに
足が半分だけ後ろに動く
動かした覚えがない
光ってる
点いてる
待ってる
まだ光ってる
ぜんぶ光ってる 誰も来ない
それでも点いてる
さっき言えなかった言葉が
まだ喉の奥にある
出す相手はもういない
それでも形は残ってる
自販機の光が顔に当たる
明るいほうを向いている
影は後ろにできる
見えない
小銭は持ってる
使うつもりもない
知ってる
押さない
光ってる
点いてる
待ってる
まだ光ってる
ぜんぶ光ってる 誰も来ない
朝まで点いてる
鞄のそいつは動かない
光の中でも同じ顔
私の顔は動いてる
さっきから動いてる
光ってる
点いてる
待ってる
まだ光ってる
ぜんぶ光ってる 誰も来ない
明日も点いてる
息だけ残る



第三幕まだ光ってる
Words Move Faster · 글자가 더 빠르다 · 文字更快
文字が流れる
右から左へ
目が追いつく前に次が来る
読めたのは三文字
電光掲示板の下で立ち止まる
首が上を向いている
そのままで動かない
読んでいない
文字のほうが速い
目より速い
考えるより速い
追うのをやめない
文字が流れる
文字が消える
文字が次を連れてくる
私は下にいるだけ
読んだ顔をしている
文字はこちらを見ていない
鞄の肩紐に跡がある
何かを吊るしていた跡
今はない
外したのはいつだったか
目が泳ぐ
文字列から外れて
戻る
また外れる
息が浅くなる
指が襟を触る
崩れてない
崩れる前に直す
文字が流れる
文字が消える
文字が次を連れてくる
私は下にいるだけ
読んだ顔をしている
顔だけが追いついている
襟を直す
髪を直す
直すところはもうない
それでも直す
文字が流れる
文字が消える
文字が次を連れてくる
私は下にいるだけ
読んだ顔をしている
明日も同じ速さで来る
もう一度襟を直す


第四幕文字のほうが速い
3% Left · 남은 3% · 还剩3%
鞄のほうは色が褪せてる
ベッドのほうは埃だけ
どちらも笑ってる
今日もその顔
一日ぶん歩いた
一日ぶん合わせた
数えていない
数えたことがない
画面の隅に数字がある
あとさんパーセント
充電すれば戻る
今日はしない
切れる前に
何か言えるとしたら
切れる前に
思いつかないまま
あとさんパーセント
まだ切れない
明日も予鈴が鳴る
同じ時間に鳴る
同じ席に座る
もう座っている
言いたいことは残ってる
下書きのまま残ってる
消していない
消さない
息を吸う音が先に出る
言葉より先に出る
出たあとで
何も続かない
切れる前に
何か言えるとしたら
切れる前に
思いつかないまま
あとさんパーセント
まだ切れない
小さいほうは摩耗してる
大きいほうは綺麗なまま
どちらも笑ってる
私の顔は動かない
戻った
切れる前に
何か言えるとしたら
切れる前に
思いつかないまま
あとさんパーセント
まだ
明日も予鈴が鳴る



第四幕あと3%